【良ゲー】Fallout3-Game of the Year Edition【クリア感想】

5.0

Steamにて購入したFallout3をクリアしました。おそらくゲーム内の要素は一通り抑えたはずだと思われるので、ここらで一区切りつけようかなと。

プレイ時間はメインシナリオ+全DLC+全ロケーション踏破まで含めて75時間(Steam内のプレイ記録による)ほどでした。内訳としてはメインシナリオが約10時間、DLCで約15時間、それ以外で約50時間といったところでしょうか。

評価としては良ゲーですが、後述する人によっては無理と感じるであろう要素がちょこちょこ見られるため、万人におすすめできるゲームかと言われると判断に困る感じです。

自分はFallout1から順番にプレイしていることもあり、2までの見下ろし型のRPGから今作でFPSになったことの変化に最初は戸惑いましたが、これに関しては大多数のプレイヤーからしたら特に問題ない点かと思われます。

メインシナリオ

良かった点

序盤の開放感

チュートリアルが終わって世界に放り出されたときのあの感覚!

辺り一面荒れ果てた世界にいよいよ降り立ったときの開放感は凄まじいものがありました。と同時にこれから先どうやっていけば・・・と呆然ともしましたが。初見時は最初の町になかなか気づかず、1時間ほど何もかもが不足している状況で放浪していたのをよく覚えています。

ようやく拠点を見つけ、そこで発生したクエスト等から経験値やお金を入手してからは面白いようにすいすいと進んでいきました。

Fallout3の世界にいきなり放り込まれたときのあの衝撃は記憶を消してもう一度味わいたいです。

後半からの勢い

行方不明となった父親を追ってVault101を飛び出すという始まりから、後半になって一気に世界を巻き込んで物語が大きく動き出していくところからの怒涛の展開は熱いものがありました。寄り道要素の豊富さに気を取られがちですが、メインシナリオのこの臨場感と迫力は2までのゲームシステムだと味わえなかった点であり、FPSになったことによる強みであると感じました。

気になった点

中盤はダレる

序盤の開放感と終盤の勢いは非常に楽しかったのですが、中盤の展開は結構面倒でした。

というのも、いわゆるおつかいのために広いマップの端から端まで歩かされる、しかもそこまでに何らかのギミックがワールドマップに配置されているでもなかったのがしんどかったです。もちろんロケーションとしての寄り道自体はあるのですが、ストーリーに関わるサブクエストなどは特になかったので、わざわざこの距離を歩く必要はあるのか? と感じました。

そこを乗り越えると一気に動き出すので、この中だるみだけが妙に気になりました。

本編のみのマップ規模の小ささ

本作はメインシナリオそっちのけで荒廃した世界を散策するだけでも十分楽しめると言っても過言ではないほど本編以外の要素のボリュームが豊富です。

しかし、メインシナリオで訪れる必要のある場所に絞ると、ワールドマップの下半分で物語が完結する上にロケーションだけで見れば数%ほどしか埋まりません。

本編だけさくっとクリアすればいいや、となるとマップの大部分を訪れることなく終わるでしょう。

DLCの内容と感想

購入したのがGame of the Year Editionということもあり、あらかじめダウンロードコンテンツ全5本が同梱されていました。PS3版もこれに該当するらしく、xbox以外は今からプレイしようとなるとこのバージョンになるかと思います。

DLCは本編だと味わえない要素や本編クリア後につながるものもあり、どれも楽しめました。ボリュームはしっかりとあり、5本全てクリアするとなるとメインシナリオ2周分ほどの内容になります。

ざっくりと内容と感想を紹介すると

Operation: Anchorage

VR装置を使って、昔の戦場に送り込まれミッションをこなしていくというのが大まかな内容。

舞台はアラスカということで白銀の世界を駆け抜けていくわけですが、ウェイストランドの昼夜問わずどこ行っても薄暗く濁った世界に慣れきっていた身には非常に新鮮でした。

内容としてはCall of DutyなどのFPSのキャンペーンモードをプレイしたことある方にはピンと来るであろうもので、シナリオとしては一本道の戦場シミュレーションと考えてもらえばいいと思います。

王道のFPSゲーをFallout3内でプレイすると逆に新鮮味があって楽しめるというのがなんだか笑えてきて楽しかったです。

The Pitt

辺境の集落に奴隷として潜入し、レイダーの支配する世界から奴隷たちを解放するために奔走するという内容。

冒頭に装備品を全て没収されるため、クリア後にプレイすると手探り感が味わえてよいかと思います。

奴隷として化け物から逃げ回りながら素材を集めたり、闘技場でデスマッチに放り込まれたりと、レイダーたちの世紀末なヒャッハー感が存分に出たDLCです。

Broken Steel

本編クリア後の敵残党を殲滅するというミッション。

エンディング後にそのまま続く形で受けられるため、初見時はそもそもメインシナリオが完了したことに気づかず、これもメインシナリオだと思ってプレイしていたため、なんか一気に難しくなったなと思ったのをよく覚えています。いわゆるラスボスの第2形態的なアレですね。

潜入時にヘリですら一撃で撃ち落とせるトンデモ兵器を支給されるため、気分はさながらランボー。

ステルスしないMGSと思ってもらえばいいかと思います。

Point Lookout

船に乗り、異教の雰囲気漂う島を冒険するというもの。

島の規模が相当大きいため、マップ内で発生するクエストも豊富。

イベントの密度が高かったので、冒険している感が味わえて個人的には一番楽しめました。ボリュームも一番多いかと。

Mothership Zeta

墜落したUFOを発見したかと思いきや謎の力でエイリアンに拉致され、宇宙船からの脱出を目指すというもの。

登場人物もカウボーイやサムライだったりと彩り豊かで、入手できるアイテムも強力といろいろとぶっ飛んでいて面白かったです。

ただ、わらわらと出てくるエイリアンたちが強力なため、わりとしんどかったです。DLCは基本的に本編クリア前から挑戦できますが、これに関してはクリア前にプレイするとなるときついんじゃないかと思います。

ゲーム全体

良かった点

自由度の高さ

父親を探すというメインシナリオこそありますが、そんなことは置いといて自由気ままにウェイストランドを歩き回っても特に問題ないのがこのゲームです。

前作までは一応の時間制限があったため、一定期間内にエンディングを目指す必要がありましたが、今作は時間制限がなくなったため、なおのこと寄り道のしやすさに拍車をかけています。

そのため、ロールプレイのしやすさはかなり上がったと思います。たとえば本作では序盤から自分の家を持つことができるため、そこを拠点に動いていくというのが基本的な流れとなるでしょう。しかし、あなたが根無し草として生きていきたいなら、そこら辺の廃墟に潜り込み、そこに住み着くレイダーたちを追い出してねぐらにすることだってできます。

道中で発生するイベントも基本的に解決法が複数用意されています。2つの勢力が対立していればどちらかに加担することもできれば、お互いの間に入って穏便に解決することもできます。言葉巧みに相手を説得することもできれば、暴力に訴えることだってできます。

最初はこんな世界に放り出されて生きていけるわけがない、と思うでしょう。しかし、気づけばすっかり順応し、シシケバブを振り回しながら敵地のど真ん中でスティムパックをがぶ飲みしているあなたがいるかもしれません。

地下道を徘徊しているときに「そういえば父親探してたんだっけ」とふと思い出して、気分転換にエンディングに向かってもいい。それがFallout3です。

V.A.T.S.による補正

本作はFPSであるため、戦闘時には敵に狙いをちゃんと定めないとまともに当たらず、せっかくの弾薬が無駄に消費されることになりかねません。

しかし、V.A.T.S.と呼ばれる部位攻撃システムを利用することで、FPSが苦手な人でもRPGのように戦闘を行うことができるようになっています。

加えてV.A.T.S.中の被ダメージは大幅に減少されるため、FPSに慣れている人でも利用する旨味が大きいです。部位攻撃はそもそも非常に有用であり、頭部を狙えば致命傷、腕を狙えば武器を落とせたり、足を狙えば動きを止めたりと、それぞれ狙う部位によって強みがあります。

自分の場合も2までのシステムから3に入り、久々のFPSに最初は苦労したため、このシステムには大変お世話になりました。

ロケーションが多い

1から順番にプレイしてきた身としてやはり嬉しい要素はマップ上に配置されたロケーションの数です。道中で受けたクエスト先にまっすぐ向かっている最中や、あてどなくふらふらとWastelandを彷徨っているだけでも、未知の場所をどんどん発見します。

うっかりモンスターやレイダーの住処に入り込んでしまったりすることもありますが、これだけ荒れ果てた世界でもやはり観光名所というのはあるもので、アスファルトに咲いた花のような思わぬ発見をすることも多々あります。ただの廃墟かと思いきや大きなイベントに巻き込まれることもあり、Fallout3の探検する楽しさをこれでもかと味わうことができます。

大半のロケーションはゲームクリアに訪れる必要は全くありませんが、逆に純粋に探索できることもあり、クリア後に地図を埋めていく作業が非常に楽しかったです。

特にマップ南東に広がる巨大メトロは、迷路のように地下に根を張っている上に、そこに敷き詰められた山のようなロケーションの数も相まって、地下鉄探検がとても捗りました。クリア後にもっとも時間を費やした場所といってもいいかもしれません。崩壊し寂れた地下道や存在しない乗客の切符を確認しようと動くロボットなど、雰囲気が出ていて本当に探検しがいがありましたね。

気になった点

ラッドローチ

おそらく本作をプレイできない人が数多く発生しそうな理由として真っ先に上がりそうなのがこれです、ラッドローチ。

道中で飽きるほど目にするであろうモンスターですが、なんといってもきついのがそのビジュアル。

ラッドローチはわかりやすく言うと体長が数十センチほどに巨大化したGです。しかも困ったことにチュートリアルの段階から退治クエストが発生するため、最初から避けては通れない存在になっています。その後もドラクエのスライムのように最弱の雑魚敵としてあなたの目の前に何度も出現します。

PC版であればmodによってビジュアルをかわいらしく変更することもできるのですが、そうまでしてプレイする人がいるのかという。

今でこそ慣れましたが、最初は抵抗しかなかったので苦手な人は本当に無理だと思います。

バグ、フリーズの多さ

プレイしているとバグは頻繁に、フリーズはたまに発生します。

バグに関しては死体が痙攣したりアイテムが空中浮遊したりといった、なんかおかしな挙動をしてるなー程度の微笑ましいものが大半ですが、足場が消滅して歩くたびに奈落に落ちていったり、クエストのフラグが条件を満たしているのに発生しなかったりといったプレイ不可能レベルの致命的なパターンも起こります。

上記に挙げた例は自分が経験したものを紹介していますが、プレイしていて大小問わずこういったバグが発生しなかった日はありませんでした。発生前のデータをロードしたり、ゲームを再起動すれば治るとはいえ、その手間は当然ストレスです。

フリーズに関しては75時間のプレイ中にだいたい5~6時間に1回ペースで発生していたかと思います。オートセーブのおかげで巻き戻る時間は短いですが、それでもフリーズが起こる時点でしんどいのは確かです。

移動速度の遅さ

ファストトラベルのおかげで一度行った場所に関しては瞬時に移動できますが、未踏の地に関しては自分の足で訪れる必要があります。その際にやはり気になるのは移動速度の遅さ。街を探索したりする分には気になりませんが、ワールドマップを歩き回る際にはどうしても遅いと感じざるを得ませんでした。

前作2はファストトラベルこそないものの、マップ移動では車が利用できたため、行ったことない場所にも高速で向かうことができました。しかし本作は走るしかない上、その速度も遅いためしんどかったです。さすがに全ロケーション踏破の際にはコンソールを利用して移動速度を上昇させました。

コンパニオンが(物理的に)邪魔になる

本作では道中で仲間にすることができるコンパニオンが存在し、これによって戦闘において非常に助けられたり、主人公では持ちきれない荷物をもたせたりすることができます。

このコンパニオンの存在はとても有用で、コンパニオンの有無で戦闘の難易度が大きく変わると感じるほどなのですが、彼らを引き連れて探索をするときに気になるのがその物理的な邪魔さ。

特にきついのがドアの前に立ちはだかられた場合。そのままの状態では通れなくなるため、こちらの立ち位置をドアから遠ざけてコンパニオンにも遠ざかってもらうというのがよくある対処法ですが、厄介なのが狭い部屋でドアの前に立たれた場合。

こうなったらもう穏やかには行きません。コンパニオンに体を擦り付けて押し出すしかなくなります。

戦闘面で頼りになるためぜひとも連れていきたいのに、いざ連れて行くと探索時にひたすら邪魔になることが多いので、プレイ中に一番ストレスだった点だったりします。なんなら2では仲間の位置が邪魔だったら退かすというコマンドがちゃんとあったため、それを知っているとなおのこと強引に動かすしかないことに腹が立つという。

ロケーションとイベントの数のアンバランスさ

マップ上のロケーションは非常に多いため、そこに向かうまでのワクワク感は大きいのですが、そこでイベントやクエストが用意されているロケーションは案外少なかったりします。

敵のねぐらや拠点になっているのであれば殲滅するという楽しみがあるのでまだいいのですが、ただそこに場所としてあるだけで敵どころか落ちているアイテムすら特に何もないロケーションが結構な数あります。

クリア後にマップ踏破をしている前半はまだ意識することはなかったのですが、後半になってくるとクジのスカを引くようながっかり感があり、「ここもただのロケーションでしかないのか……」とそこをさっと眺めて通り過ぎるしかない悲しみをしばしば味わうようになりました。

1からやってきた意見としては、FPSになったことで世紀末観光としてはすごい没頭できたものの、訪れた場所では基本的に何かあってほしかったなぁとはどうしても思ったのも事実。2だと場所がそもそも3より少ないとはいえ、どこに行っても複数のイベントが用意されていたのが楽しかったので。

下手なホラゲーよりホラー

世界観も相まってFallout3は正直これホラゲーでは? と思うような状況がけっこうあります。

代表的なのは主に地下道に生息するグールで、曲がり角やマップ移動時のロード後に突然遭遇したりするともう普通にホラゲーです。見えなくても付近に存在すれば、ゾンビ特有のうめき声が辺りから聞こえてくるため、明るい場所がどこにも存在しない世界でそんな状況が発生する時点でそれはもうホラーです。

わかりやすく言うとバイオハザードが怖くてプレイできない人にはおすすめしません。なんならこれだけプレイした今となっても不意打ちを食らうとビクッとなることが未だにあったりします。

レベルに応じた敵のインフレ

本作はエンカウントする敵の強さが主人公のレベルに応じて変化します。つまり、こちらが強くなれば敵も強くなるということですね。

こういうシステム自体は他のゲームでもたまに見られますし、あくまで上位種が出てくるようになるというだけでそればっかり出現するようになるというわけではないので、対処できないことはないレベルなのですが、問題はそれによって出現する一部の敵が異常に強いということ。

具体的にはグールの最上位種であるフェラル・グール・リーバーという敵。そこかしこで見かけるようになるのにこちらを見つけるとものすごい勢いで突っ走ってきて殴りかかる上、放射能を投げつけるという遠距離攻撃も完備。通常の人型であるためヒットボックスが小さいのも非常に厄介。中でも反則的なのはその耐久力。ショットガンを至近距離で頭にヒットさせても体力が1ミリも削れず、おまけにスーパーアーマー持ちのため怯まないというトンデモ耐久。コンパニオンを連れていないソロ状態でまともにやり合ったら最強装備に身を固めても普通にやられます。

フェラル・グール・リーバーの前ではFalloutおなじみの最強生物デスクローが可愛く見えるレベル。今作のデスクローも相変わらず主人公を3~4発で葬ることのできるポテンシャルはあるため化け物に変わりはないのですが、当て所が良ければすぐに倒せるのでそこまで脅威には感じません。というよりフェラル・グール・リーバーのせいで基準がバグってしまっているかもしれませんが。

他にもここまでではないですが最上位種がゲーム終盤では当然のように出現するようになるため、どこに行っても消耗戦を強いられることになるのが大変苦労しました。

まとめ

長々と書きましたが、プレイ中は何日も寝食を忘れてやり込んでいたため、ゲームとしての面白さ・良さを存分に楽しみながらも、どうしても前述の気になる点に悩まされることも多かった日々でした。

とはいえ、それらをひっくるめて総評を述べるのであれば、もしも可能であれば記憶を消してもう一度プレイしたいゲームです。

どこ行っても薄暗いし濁りきってるし、何を食べても何を飲んでも放射能を浴びることになるような終末的な世界観なんですけどね、困ったことに面白いんですよね。

何年か経って記憶が色々飛んできたらまたプレイしたいな、と思います。

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