【良ゲー】The Outer Worlds 2【クリア感想】

4.0
PC

The Outer Worlds 2をクリアしました。本日は10月28日です。

「えっ、まだ発売前のはずじゃ……」

はい、フラゲするために1万2000円払いましたよ! なんでこんな高いんですか?

クリアした感想

とりあえずクリア時間は30時間程度でした。マップの探索やサブクエストもあらかた終えてからクリアしたので、メインクエストのみなら20時間はかからないかと思います。

感想としてはやっぱり面白かったですね。前作の良さをそのまま発展させたような感じで、ほぼ期待通りの内容でした。数多くの選択肢から自分が選んだ道へと進んでいった結果、どういう世界に変わっていくのかがダイレクトにわかるこの感覚がたまらなかったです。

世界観以外は前作とのつながりはほとんどないので今作からでも普通に楽しめると思います。ポケモン赤緑とかやったことないけど最新作から始めても何の問題もないのと同じです。

あらすじ

敵の基地への潜入任務中に、主人公率いる地球議会の部隊は仲間の裏切りによって突如謎の大爆発に巻き込まれ壊滅。それにより瀕死の重傷を負った主人公がコールドスリープから目覚める頃には約10年が経過していた。

爆発の中で息絶えたと思われていた裏切り者が実は生きていたこと、さらには何らかの目的のために敵であったはずの軍事国家”護国帝政府”と繋がり、最近になって暗躍している情報を掴んだ主人公一行は、その手がかりを探るため最初の惑星へと降り立つのであった……。

概要

前作同様、FPS視点のRPGです。

ゲームの進行としては惑星でクエストをこなす→また次の惑星へといったステージクリア型に近いですが、プレイ感としてはほとんどオープンワールドと同じだと思って大丈夫です。Fallout4とかをやったことがある人であればイメージしやすいかと思います。

本作の特徴として、自分が出会う人物や勢力とどのように関わるかによって物語が分岐していきます。これが一番の魅力と言っていいでしょう。ストーリーの軸自体は1本であるにもかかわらず、プレイする人によって全然違う道のりになっていくのが面白いんですよね。

良かった点

選択肢の多さ

なんといってもこれですね。キャラ作成の段階から思います。なんかいっぱい選べる、と。でもどれ選んだらいいのかわからん、とも。

初回プレイ時はキャラ作成時点では「機知で優秀な代わりに病弱な元犯罪者」とかいういかにも知能犯みたいなキャラを作ったのに、スキル振りをしていった結果、最終的に「話術と銃の腕前だけがずば抜けている饒舌なコマンドー」が出来上がりました。

そんな感じでキャラメイクとスキル振りによって様々な主人公が作れるのも魅力ですが、攻略自体もとにかく選択肢が多いです。

たとえば最初の惑星におけるメインクエストでは、敵の拠点にどうやって潜入するかが鍵になります。拠点にたどり着くためには門をくぐる必要があり、当然ながら門番が立ちふさがっている。さあどうする? と。

個人的にはもうこの時点で驚いたのですが、その選択肢がAとBどっちにする?だけじゃなかったんですよね。とりあえず自分の初見プレイを文字に起こしてみましょう。

街に対立勢力がいるからそこの力を借りようというのがクエストマーカーに出てくるんですが、その人物が2人いました。一方は外交メイン、もう一方は武力行使だからどっちか選んでねと。

平和にいきたいから前者にするかと決めたら、今度はじゃあ惑星の東に敵の脱走兵が町を作って暮らしてるからちょっと懐柔してきて、なんらかの潜入手段を知ってるだろうからと言われたんです。向かうと町はロボットの調子が悪いせいでインフラの危機に陥っていました。

町のリーダーは言います。「手助けするにしてもそもそもこの町がもう危ういんだよね。近くのロボット工場に行けばパーツが落ちてそうなんだけどなぁ、誰か拾いに行ってくれたらなぁ」と。

私は言いました。「いや、おつかい面倒だしそもそもこんなボロボロの町捨てて、街に移住すれば良くない?」と。

「でもあいつらとは考えが相容れないからなぁ。他の住人だって俺についてきてるんだから、きっと同じことを言うと思うよ」

「そう言うと思って、あらかじめ住人たちに移住の是非を聞きに行ったらみんな賛成でしたよ」

「えぇ……だったらもう移住するしかないじゃん……」

……わかりますかね。この時点でまだ全然序の口、なんなら門のもの字も出てきてないんですけど、すでに選択肢を何回も通ってるんですよね。この選択肢の波に飲まれていく感覚が病みつきになっていき、次はどういうルートを通ろうかなという周回の楽しみにつながっていくのです。

加えて、今作は会話の選択肢がとにかく多いです。そもそもからして3択、4択あるのに加えて、提示される選択肢の中には主人公の経歴や特性、スキルの値などによって解放されるものや特定のアイテムや情報を入手することが条件のものもあるため、一見どう考えても悪い結果にしかならなそうな会話でも実は……みたいな思わぬ発見があります。

余談ですが、もちろん前作同様ラスボスは会話次第で戦闘をスキップできます。スピーチは正義、Fallout1とか2、New Vegasをやったことのあるみんなは知ってるよね。

探索の面白さ

前作の気になった点として、惑星内の探索要素の薄さがありました。クエストに関係ない場所はいくら探索したところで特になにかあるわけでもなく、どの惑星もメインクエストが終わったら基本的に用済みになっていたのです。

しかし、今作はその点が一気に改善されました。何のあてもなくマップを走り回っていると、思わぬところにネームドNPCがいてイベントが待っていたり、明らかになんかありそうな場所を探索すると案の定お宝を発見したりと、マップを端から端まで探索する面白みが用意されています。惑星自体のボリュームも前作DLC相当の大きさにスケールアップしたため、ほぼ全ての惑星にこの探索要素があるのも強みです。

また、今作では亀裂と呼ばれる異常が発生している場所が惑星の各地に出現しており、最初は通れないものの中盤以降に特定のアイテムを入手することで亀裂の先へと進めるようになっているというお楽しみ要素があったり、クエストで各惑星の出番がしばしば登場するため、一度訪れた惑星でも使い切りではなく何度も訪れる価値があるものになっています。

探索といえば前作から引き続きで鍵のかかったドアや宝箱を開ける錠ピック、コンピュータから情報を引き出したりするのに有用なハッキングが存在しましたが、今作ではそこに壊れたものを修理するためのエンジニアリング、隠された場所やギミックを発見できる観察、無理矢理ドアをこじ開けたりするのに使う爆発、さらにスキルではなくただの特性なのにやたら使用機会の多い頑丈などが探索要素として登場しており、探索スキルが幅広くなっています。(スキルならともかく、頑丈に至ってはキャラメイクの段階では敵にタックルすることができる特性だよとしか書かれてないの地味に詐欺だと思うんですよね)

そして何より今作では2段ジャンプが使えるようになったことで、マップを走り回る軽快さが段違いに良くなりました。ちょっとした段差なら自動で掴んでくれることですいすい進めるようになっており、長距離の移動もぴょんぴょん跳ねながらパルクールできることで移動自体が楽しいものになっています。

クセの強いコンパニオンたち

仲間になるキャラクターは初期2人+道中で出会う4人の計6人です。本編を進めれば必ず出会うことになるコンパニオンもいれば、多少寄り道しないと気づかないであろう場所にいるコンパニオンもいるので注意が必要です。

初期2人(正確には1人と1体)は部隊の仲間だったかつての新人とロボットということもあり、比較的クセのない無難な仲間ですが、それ以外の4人はどれも個性的な存在感を放っています。

強化兵としてモンスターの部位を移植されたことで第3の腕を持つ改造兵士だったり、組織に新人として潜入しているけどどう見ても老婆(実は伝説の科学者)だったり、気に入らないやつはスナック感覚で○したがる女の子(カルト宗教に所属するアサシン)だったり、護国帝政府に疑問を抱いたことで国を追われながらも愛国心から真実を追い求める鎧の騎士だったりと、全員もう外見からしてやばい奴らが揃っています。

彼らはそれぞれコンパニオンクエストが用意されており、どれもボリュームがありキャラクターをしっかり掘り下げながら、クリア特典として強化イベントまで用意されているのでぜひ連れ回しましょう。

加えて、戦闘中に使える固有能力をそれぞれ持っているのですが、前作ではあんまり使わなくても困らなかった存在だったのが今作ではそれが非常に強力になっているのも特徴です。おかげで全員頼もしいので、気に入ったキャラを気兼ねなく連れ回しましょう。

エンディングの達成感

アウターワールドといえばやっぱりこれですね。

ストーリーをクリアすると、最後に自分の選択がその後の世界にどのような影響を与えたのかによってエンディングの内容が変化します。いわゆる答え合わせみたいなものです。

惑星、勢力、人物と、関わってきた全てが自分の取った行動や会話によってどう変化したかが一気に語られるため、自分の思い通りに良くなっていることに喜んだり、あのときは良かれと思って取った行動が実は……と驚いたりと、このエンディングを通して自身の選択を確かめるのが本作の醍醐味だと思います。

そして、それを踏まえたうえでまたニューゲームが始まるわけなんですけどね。

ラジオの導入

あえて言いますね。やりやがったと。ゲーム内でラジオが聴けるってそれもうFalloutじゃないですか。

しかもこれ、非常にクオリティ高いです。昔の名曲ではなくオリジナル曲がガッツリ収録されていますからね。相当力入ってますよ。

チャンネルが3つあり、ストーリーに深く関わる3大勢力が各チャンネルを担当しているという設定です。

それぞれの勢力の特徴によって曲のラインナップも異なり、宇宙最強の企業である”おばさんのお墨付き”(おそらく前作に登場した前身企業であるスペーサーズ・チョイスを考えるとアンティーズ・チョイスが正式な名称だと思うんですけど、これはこれでローカライズの妙を感じて好き)はマーケティング重視のコマーシャルソング、宗教団体でありながら科学を重んじる“昇華律団”は宗教音楽チック、本作の悪役として君臨する軍事国家の”護国帝政府”は意外に万人受けする往年の洋楽らしい親しみやすい曲といった具合。個人的には怖いくらい耳障りのよい”おばさんのお墨付き”と垂れ流しにピッタリの”護国帝政府”がもっぱらメインチャンネルとなっています。

長距離の移動や探索もラジオをお供にすることで気分よく過ごすことができます。前作からの追加点ではダントツで良いと思うくらいプレイ中はほぼずっと流している状態です。

気になった点

取り返しのつかない要素が多すぎる

これはもうプレイしていて何度思ったことか。周回前提とはいえ多すぎる。

たとえば探索していて出会った人物に話しかけたとします。会話の選択肢を見てみると、どうやら特定のアイテムがあれば何らかのイベントが発生しそうですが、現段階ではどちらも持っていませんでした。アイテムを手に入れてからまた話しかけようと思って、とりあえずこの場はまた来るねと言って切り上げることにします。

さて、探索を続けているとさっき遭遇した人物との関わりがありそうなアイテムを見つけることができました。さっそく戻って再び話しかけてみます。しかし、すでに話しかけたせいで会話を切り上げる以外の選択肢が出現しなくなっていました。仕方ないのでこの人物とのイベントは今回のプレイでは見送るしかありません。

こんなのがもう山程あります。ただ、これがクエストにつながらないただの探索で遭遇したならまだマシなんですよ。問題はメインクエストでもガンガン出てくることです。

敵の拠点に潜入してみたらどうやらボスと会話できそうです。しかも意外と話がわかるタイプだし、平和に解決できそう。でも会話スキルが足りないせいで説得ができず、戦闘に入るしかありませんでした。ただボスだけあって痛いし手持ちの回復薬では耐えきれません。加えて、こちらはこれまであまり銃スキルにポイントを振っていなかったせいでろくにダメージが通りません。あっ、詰んだかも!

はい、こういうことが普通にあります。後述するんですが、前作に比べて本作はスキルポイントが全然振れなくなっているので、気がついたら中盤辺りでポイントの振り方を完全にミスったことを痛感する人が確実に出てくると思います。

確かにプレイにおける選択肢は多いんですが、それを選べるかどうかは主人公の能力にかかっているので、後半はなんかもうこんなのばっかで「これもうただの持ち物検査だな……」と思ってしまいました。場所によっては求められるスキルがあまりに偏っているせいで全然会話で良い選択肢が選べなかったりしました(科学の総本山みたいな場所に話術と銃の腕前のみで乗り込んでいった主人公が悪い? それはそう)。

翻訳の質が低い

日本語音声はありませんが、テキスト自体は一通り日本語化されています。しかし、この翻訳の質が低い、というかものによってはそれ以前の問題のクオリティだったりします。

宇宙を舞台にしたSFファンタジーということもあり、専門用語自体は多いほうだと思いますが、それを踏まえてもテキストはちゃんとわかるようになっていて、用語自体の癖を除けば問題なく読み進めることができるようにはなっています。

ただ、ローカライズに失敗したテキストがところどころにあり、「〇〇へとファストトラベルーjajp○○○○」といった日本語化コードが丸見えのものや、会話の選択肢でなぜか同じ文章が二重に表示される、翻訳を放棄して英語のまま表示される、もはや元のワードどころか日本語化コードのみが表示されるといった「機械翻訳すらまともに通せないんかい!」と突っ込みたくなるようなものを目にすると、なんというか怒りを通り越して悲しくなります

このゲーム、前作もそうですがメインはテキストを読むことなんですよね。会話だったり各地に散らばる資料から世界観を読み取ることで理解を深めていくのが魅力なので、そこを重視してもらえないのは本当に……なんとかなりませんかね?

レベルキャップが低い

本作はレベル30で頭打ちとなっています。

「物語もかなり盛り上がってきたけどまだまだ終わりが見えないし、これはクリアに50時間はかかりそうか?」と思っていた矢先に経験値がもう手に入らないことに気づいてステータス画面を開いたときにレベル上限に達したことを知ったときのがっかり感よ。

基本的にレベル上限に達した=もう物語も終わりが近いという証ですからね。

そのため、サブクエストまでしっかりこなしていく人の場合、本編の進行度の約4分の3ほどでレベル上限に達することになるかと思われます

以降の何がきついかって、敵を倒すことがただの弾薬の無駄遣いになる上にもう新たにスキルポイントが振れなくなるんですよね。全然不十分に感じるこのステータスをこれ以上高めることができない、この悲しみは相当なものでした。

ラスダンで事あるごとに要求される足りないスキルに怒りを覚えたのも良い思い出ですね。

移動がダルい

良かった点に2段ジャンプが導入されたことで移動が快適になったことを挙げましたが、こちらで言う移動はそれとは違い宇宙船での惑星間移動、及びファストトラベルのことを指します。

クエストで惑星間を行き来しながらイベントをこなすことがそれなりにあるのですが、その際のテンポの悪さがどうしても気にならざるを得ないと感じるんですよね。

例を挙げると、惑星Aの町にいる人物からもらったアイテムを惑星Bの町にいる人物に渡して、また惑星Aの町に戻って報告しに行くとします。

この際にとにかくストレスを感じるのが宇宙船からはファストトラベルができないため宇宙船1階の出入り口から降りる必要がある・惑星を移動する際には宇宙船の2階の操縦席に行く必要があるという点です。

そのため、今回のケースでかかる移動は
「惑星Aの町から宇宙船へファストトラベル
→2階に上がって惑星Bへと移動
→1階から宇宙船を降りる
→町までファストトラベル
→宇宙船へファストトラベル
→2階に上がって惑星Aへと移動
→1階から宇宙船を降りる
→町までファストトラベル」
という8ステップが必要となります

ファストトラベル以外の無駄な工程が目立ちますね。

しかも、この仕様の何が問題かって前作では操縦席が1階にあったことに加えて宇宙船からのファストトラベルも可能だったことです。つまり仮に同じ移動をしたとしても前作であれば必要な工程は半分以下に収まっていたんですよね。この点に関しては前作から完全に劣化しており、前作プレイ済みの人ほど気になるかと思われます。

惑星のマップが広くなったことで各惑星の探索の楽しさは格段に上昇しましたが、この変更のせいで宇宙を舞台にしたSFファンタジーであることが完全に足を引っ張っており、だったらもういっそ1枚のマップに収まるオープンワールドにしてくれよ、と思わずにはいられません。

回復薬の仕様

本作では回復手段が回復薬と飲食物の2種類に分かれています。前作でもこの2種類は存在していましたが、最高難易度以外では飲食物を使用する必要性が皆無だったことが問題でもありました。

そのこともあり、本作では戦闘中は回復薬のみ使用可能、戦闘時以外は飲食物で回復できるという明確な使い分けを図ることで、上手く差別化を行えています。

しかし、この回復薬の仕様に悪意があり、回復薬を使用した際にはなぜか毒性ゲージも一緒に溜まり、毒性ゲージが最大まで溜まると中毒になりゲージが0になるまで回復薬を使用できないという謎の仕様が追加されました。

しかもこのゲージの許容量の低さがまた問題で、基本的に2回使った時点でゲージが最大になります。回復薬を複数回使用したくなるような状況ほど回復したい状況はないのに、それを許してくれないわけです。回復スキルを持つコンパニオンを連れて行く、戦闘状態が解除されるまで逃げて飲食物で回復するといった代替手段はありますが、ボス戦のような状況ではあまり期待できる手段ではありません。

医療スキルにポイントを振ったり、レベル2ごとに習得できる特殊技能によってゲージの最大値を上げることはできますが、そのためにポイントを振るほどの余裕は正直ありません。

確かに前作は回復薬をガブ飲みしてゴリ押し、なんていう力技ができなくもありませんでしたが、そもそも本作ほど戦闘が難しかったわけではなかったのです。戦闘の難易度を上げたうえで回復手段を強烈に制限するというやり方は、なんというかただの意地悪にしか感じないというのが正直な感想です。戦闘ではなく会話やテキストを読むのがメインのゲームであることを考えるとなおさらですよね。

スキルポイントが少ない

本作では12のスキルが用意されています。それぞれ最大20までポイントを振ることができます。

つまり仮に全てのスキルにポイントを最大まで振るとしたら240ポイントが必要ですね。

主人公はキャラ作成時に2つのスキルを専門スキルとして初期値を+2することができ、レベルアップごとに2ポイント振ることができます。レベルキャップは30です。

つまり(2×2)+(2×29)=62ポイントを振ることができます。

……あれ?

はい、そうです。62ポイントしか振れないんです。仮に最大までスキルを上げることを目的にするなら3つしか極められません。

ただ、それだけならまだ良かった。だって、別に20まで上げずに10くらいで止めておけば6つのスキルに振ることができるし、6つもスキル振っておけばある程度対応できるでしょうよ。

ところがそうはいかないんですよね。

序盤はかわいいもんです。スキルを要求されるような場面でも3あれば済むことが大半ですから。しかし、問題は後半なんですよね。スキルを要求される場面は会話でも探索でも増える上にその値もだいたい11が足切りラインです。つまりどうせスキル振るんだったら10以下だったら振らないほうがマシな場合が多いです。強力な特殊技能を習得するために必要な値まで振るとかでもない限り、そのスキルを活かしたいのであれば15は必要だと思ってください。

しかもこれ何が問題かって、初回はレベル30で頭打ちとか知らないし、どのスキルも要求される場面が序盤から存在するせいであれもこれもと振っていくと、気がついたら器用貧乏なスキル振りになってしまいがちなんですよね。その結果として、序盤は有用だったスキルが後半は数値が足りないせいで腐るわけです。こうなるんだったら振らなきゃよかったと思う頃にはもう手遅れとなります。

で、これまた前作と比較してしまうんですが、前作はこのスキル値をコンパニオンや特殊技能、装備で盛ることができたし、スキルの振り直しも宇宙船内の機械に費用を払えば可能だったんですよ。本作ではどっちもできないんですよ。これも個人的には前作からの劣化点だと思っています。

上の画像が前作の自分のデータです。色々と駆使することで上手くやればスキル値を100ポイント以上盛ることができました(前作のスキルポイントは初期値が平均20で最大値は150、レベルアップごとに10ポイント振ることができ、50までは同じカテゴリは同時に振ることができた)。

これが1周目の自分のデータですね。もちろんレベルは上限の30です。銃とスピーチは最大まで振ったことで最後まで活用できたものの、それ以外は正直腐っていました。合計64ポイントと2ポイント多いのは、キャラ作成時の特性で優秀(専門スキルを1つ追加できる)を選択しておいたからですね。いずれにせよ、前作のデータと比べると全体的に寂しい数値になっていることがわかるかと思います。

(一応、このスキルポイントの上限を増やす手段としてキャラ作成時に特性として専門スキルの優秀を選んで+2ポイント、欠点として一番値の低いスキルにしか振れなくなる代わりにレベルアップでもらえるポイントが3ポイントになる注意散漫を習得するという2つがあります。前者はともかく、後者はやめておいたほうがいい器用貧乏まっしぐらなのでおすすめできませんが)

自由度が高いように見えて低い

気になった点として色々挙げてきましたが、まとめるとこれなんですよね。

プレイしていると思うんですが、本作はとにかく異常なまでに主人公が万能であることを嫌っているフシがあります。

選択肢は色々用意してあるけど、この主人公だったら取れる選択肢はこれしかないよね。他の選択肢を選びたいんだったらまた別の主人公でね」といったガチガチのRPを強要されている感じがして、だんだんと息苦しさを感じました。

攻略の自由度が高い事自体は良い点だと思いますよ。でも、それ以外の探索要素にまでそれを要求されるのは話が違うんじゃないかと思うんですよね。これはもう最初の惑星からして顕著で、メインクエストとはなんら関係ないところで、ここで鍵開けができれば、ハッキングができれば、エンジニアリングがあれば、医療スキルがあれば……でもそのためのポイントを振る余裕は全く無いみたいな場面に何度も何度も出くわすわけです。もしレベルキャップがもっと高ければ、あるいはレベルごとのスキルポイントが多ければこの問題点も改善できるんですけどね。

本作はある程度周回前提の内容ではあるだろうし、どの勢力を選択するかといった本筋に絡んでくる部分で周回する分にはこちらとしても望むところなんですよ。

でも、宝箱を開けるためだけに、ハッキングするためだけに、医療スキルが要求されるイベントのためだけにもう1周したいですか? 自分はしたくないんですよ。それするくらいなら他ゲー行くんですよ。

正直プレイしててめちゃくちゃできるという意味では前作のほうが良かったです。戦闘に関してはプラズマを付与したライトマシンガンを味方に持たせて弾幕張ってるだけで最高難易度のスーパーノバすら余裕でしたし、キメラなどのスキル補正の高いアイテムなどを駆使してスキル値を盛ることでステータスを万能にできたりと、色々と壊れてたからこその縛りがいや攻略の見え方があり、だからこその遊びがいがありました。

自分で設ける縛りとゲーム側から強要される縛りとでは受ける印象がまるで変わってくるんですよね。もうちょっと1周のプレイでやれることを増やしてほしかった気持ちは強いです。

まとめ

良い点も気になった点も込みでトータルで判断するなら個人的にはかなり面白いと感じました。だいぶ文句も書き連ねましたが、そもそも本来の発売はまだですし、今後のアップデートで改善される点もあるでしょう。DLCも控えてますしね。

ただ、あえて気になった点には書かなかったんですがやっぱ高いって! 前作をSteamセールで買って気に入ったからお布施として購入したけど、1万2000円は強気すぎます。昔のコーエーじゃないんだから。

おすすめはするんですが、もしプレイするんだったらゲームパスなりセールの値下がりを待ってから購入するほうがいいんじゃないでしょうか。

なんか思いのままに書き連ねていたら予想以上に長くなってしまいました。こんだけ熱意を持って取り組めるゲームもなかなかなかったので、次回作が出たらまたきっと買うと思います。この調子で続編出してもらって、いつの日かFalloutのナンバリングを追い越してもらいたいですね。今作でとうとうラジオ出してきたってことはその意気なんじゃないかって勝手に思っています。

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