【良ゲー】The Outer Worlds【クリア感想】

4.0

Steamセールで購入したアウターワールドをクリアしました。今から買う場合はスペーサーズチョイスエディション(DLC全部入りのリマスター版)を選ぶと良いでしょう。今回の感想もそちらが前提となっているので、無印とちょっと異なる点があるでしょうがそこはご了承を。

きっかけ

そもそもなんでこのゲームに目をつけたかといえば、Fallout:New Vegasを作ったObsidianが開発だからです。宣伝でもそれを売りにしているようなところがあるので、同じ理由の人も多いんじゃないでしょうか。New Vegasは個人的にFalloutシリーズでも2と並んで最高傑作だと思っているので、それと同じような体験ができるならそりゃ飛びつくわけです。

その点に関して先に結論を言ってしまうと「Falloutを求めるのは違うけど、それはそれとして面白い」というのがプレイした感想になります。アウターワールドはアウターワールドで面白いってことですね。似ている点はFPSであるところと、New Vegasのように関わった人物や勢力の運命に関与できる点くらいでしょうか。

プレイ時間

プレイ時間は7周して120時間ほどでした。クリアにかかる時間はメインクエストのみで10時間程度、サブクエストもこなすなら20時間弱くらいだと思います。DLCは2本あり、どちらもメイン・サブ合わせて10時間程度かかるので、合わせれば本編1本分のボリュームがあります。

なんとなく50時間程度で一通りできるだろうなと思っていましたが意外にプレイ時間が伸びましたね。1周目は難易度ノーマルでとりあえず流れるままに本編だけクリアし、2周目で難易度ハードに切り替えもう1つのルートをクリア、3周目で改めてサブクエスト・DLC込でじっくり攻略……で満足するかと思ったらそこから長引きました。最高難易度スーパーノバクリア(主人公のみと仲間同伴で1周ずつ)と実績全解除までやったあと、ハンドガン縛りプレイまでやってようやく落ち着いた感じです。慣れると10時間足らずでクリアできるんで周回しやすくて、あれこれ試してたら120時間やってたって感じです。

ゲーム内容

あらすじ

人類が地球を飛び出してコロニーを形成し、惑星系ハルシオン内で暮らすようになった未来。

主人公を含む数十万人の入植者たちを冷凍睡眠させコロニーへと運ぶはずだった宇宙船ホープは、手違いにより何十年も放置されたままハルシオンを漂流していた。

ある日、コロニーを牛耳る評議会から指名手配されている科学者フィニアスはホープに潜入し、そこから主人公を復活させる。

人類の危機、そしてホープの人々を救うため、冷凍睡眠から目覚めて早々に主人公はハルシオンの惑星を駆け巡るのであった……。

概要

FPS視点で行動していくRPGなので、最初に挙げたFalloutシリーズなどのオープンワールドゲーをやったことがある人ならイメージしやすいかと思います。FPSが苦手な人でもTTDという特殊能力(一定時間スローモーションになる)を活用すればゆっくり狙えるので問題なくプレイできるはず。

ゲームの流れとしては惑星に降り立つ→クエストをこなす→また次の惑星へといった感じなので、オープンワールドっぽいプレイ感だけど厳密にはオープンワールドではないです。

道中では多くの人物や勢力と関わることになりますが、主人公の選択次第で彼らの運命を変えることができます。このゲームで一番面白いところがこれですね。

順当に進めればフィニアスとともにハルシオンを救うことになりますが、条件次第でフィニアスを評議会に売り渡して評議会ルートに進むことも可能です。内容的に1周目からやるのはおすすめしませんが……。

良かった点

ロールプレイのしやすさ

ゲーム開始時に選択できる特性や、レベルアップごとに割り振ることのできるスキルポイント、一定レベルごとに取得できる特殊技能の選び方次第でプレイ感がかなり変わってきます。

強靭で気性の荒いハンマーを振り回す力自慢でゴリ押したり、メ◯ルギアよろしくスニークスキルを高めて孤高のスナイパーとして人知れず惑星を救ったり、口先だけであらゆる勢力を懐柔する話術の天才になったり、自分じゃろくに戦えない上に知力が足りないせいでとんでもないことを口走り続けるオトボケなのに持ち前のカリスマで最強の味方にすべてを介護してもらったりなんてこともできます。ちなみに上記のプレイは実際に行った内容です。

また、一部のNPCを除いて◯害することが可能なため、最初からろくに会話せずに重要なキャラを処理して先に進むこともできます。ただ、その場合は下手すれば惑星全体が敵に回るため、難易度としては非常にハードモードになりますが……。

会話の選択肢が豊富

このゲーム、メインは会話とテキストです。道中で発生する会話で提示される選択肢がとにかく多い上に、スキル値次第でさらに増えます。廃墟に残されたターミナルにも日記などのログが残っていたりするので、それらを読み漁ることで世界観をさらに知ることができるでしょう。

説得・騙し・威圧といった会話スキルを必要とする選択肢は特に有利に事を進めることができるので、高めておくとクリアがぐっと楽になります。上手くやれば選択肢次第でラスボス戦すらスキップできるのが素晴らしい。なんなら7周もしたのにまともにラスボスと戦ったのは2回しかないです。

また、主人公の知力が平均以下の際に発生するオトボケ選択肢も一見の価値あり。行く先々で意味不明なことを口走る様は、長期間の冷凍睡眠が脳に与える悪影響を教えてくれます。オトボケ状態でしかたどり着けない特殊エンドもあるので、実績解除の際はぜひ。

コンパニオンの掛け合いが楽しい

仲間にできるキャラクターは計6人(正確には5人と1体)。中盤までには全員加入できるものの、メインクエスト上で出会うことになる3人以外はうっかり見落とす可能性があるので注意が必要です。

宇宙船から最大2人を連れて3人パーティーで行動することができ、その組み合わせによって道中で発生する会話が変わってきます。一見共通点のない組み合わせでも意外な掛け合いが見られたりするので、ついつい色々な組み合わせを試したくなります。

クエストでの会話や探索時の景色など、事あるごとに掛け合いは発生してくれるので、これが探索の大きな楽しみでもあったりします。

エンディングの達成感

大まかなルート自体は2つですが、クリアまでに出会った人物や勢力とどう関わったかによってエンディングの内容が変化します。これにより、自分の選択が彼らのその後にどう影響したかがわかるのが非常に面白いです。

1周目の反省を活かして2周目ではよりベターな選択を取るために試行錯誤をしてみたり、そのときは良かれと思った選択がもしかしたら最善ではなかったのでは? というのがエンディングでわかったりなど、次のプレイではどんな終わり方を目指そうかという目標にもなってくれます。

DLCの内容もエンディングに反映されるため、それらも含めて理想的なエンディングを目指そうとするとかなり試行錯誤が必要になりますが、あれこれスキル振りなどを工夫して自分なりの最高のエンディングを迎えたときの達成感は凄まじいものがありました。

余談ですが、最高のエンディングを目指すことができるということは最悪のエンディングを目指すこともできるということで、考えうる限りのワーストエンドを狙ったときは凄まじい悪夢をエンディングで見ることができました。そんなことをする人もなかなかいないでしょうが興味があればぜひ。

気になった点

ローカライズはテキストのみ

テキストや字幕は日本語化されているんですが、音声に関してはローカライズされていません。

このゲーム、繰り返しになりますがメインは会話なので、日本語音声のほうがもっと入り込めた気がしてなりません。今のままでも楽しめることは確かなんですが、この掛け合いをネイティブで楽しめたらもっと面白いんだろうなーとどうしても思ってしまったり。

これに関しては英語をネイティブ並みに聞き取れないほうが悪いとか言われたらそれまでなんですが、2では日本語音声も用意してくれたら嬉しいですね。

敵の種類が少ない

戦闘関連は色々と不満があります。まずは敵の種類。

本作で登場する敵は略奪者・ロボ・イヌ・ラプティドン・プライマル・マンティスの6種類、好感度次第で各勢力の兵士……以上です。これらが最初から最後まで色・サイズ・強さを変えて登場するだけです。ラスボスですら攻撃パターン多少追加しただけでベースは既存の敵と同じとかそんなんアリ?

一応、敵ごとに武器の属性を切り替えるといいよ! みたいなTipsが出てくるので、それを意識しやすくするために種類を絞ったという擁護もできなくはないですが、もう少しバリエーション欲しかったというのが正直なところです。

武器の選択肢が少ない

本作では武器にレベルという概念が存在する点、さらに改良によって武器レベルを上げて強化できるという点があるのですが、それが逆に武器の選択肢を狭めています。

何が問題かと言うと改良にかかる費用というのがあり、恐ろしいことにこの費用が回数を重ねるごとに倍々で増えていきます。はじめは100ビット(通貨単位)もかからずに改良できていたのがいつの間にか10000以上要求されたりします。

さらに、序盤に入手した武器もライトピストル→ライトピストルmk2→mk3といった具合に上位互換が登場してくるため、その瞬間にお役御免になります。レベル1の武器をレベル10まで大金を投じて鍛え上げるより、新しい惑星で拾ったレベル15の武器のほうが遥かに強いので、改良に関しては上位互換が登場しなくなる終盤まで下手にしないほうが良かったりします。

これにより、武器に関してはステージごとに新しく拾った武器へとどんどん切り替えていくのが正しい戦略となります。というより、無理に使い続けようとしても敵にろくにダメージが入らないという現実を突きつけられるため、嫌でも乗り換える羽目になります。

ただ、ここまではあくまで武器の仕様の話であって、肝心の種類自体はいくつもあるため、近距離はショットガン、中距離はピストル、遠距離はスナイパーライフルといった感じで使い分けられますし、生物に有効なプラズマ属性を持つプラズマライフルをメインに、サブにはロボに有効なショック属性を改造で付与したマシンガンを使ってみようみたいな幅はもちろんあります。だから遠距離武器に関しては得手不得手もあって選びがいはあるんです。遠距離武器はね。

一番の問題は近接武器です。近接武器に関しては悲しいことに選択肢が1つしかありません

それがプリズムハンマーです。最強武器がこれで確定してしまっているため、他をあえて選択する理由が存在しません。しかもこの武器は比較的序盤から入手できるうえ、スキルにより改良費用が200ビットで頭打ちになるためいくらでも強化することができ、最初から最後まで弱い時期が存在しない唯一の武器となっています。なんか君だけダメージの桁がおかしくない?

探索要素は薄い

そもそも探索らしい探索ができるほどのマップが用意されているステージがほとんどありません。本編のメインクエストで訪れることになるステージに絞ると、最初のエメラルドヴェールと中盤のモナークの2つしかなかったりします。他は貿易ステーションだったり街だったりと、探索するような場所どころか広さもないので、せいぜい隅っこの宝箱を漁るくらいしかできません。

加えて、探索の旨味であるイベントやアイテムも期待できるほどは用意されてないです。アイテムはごくたまにユニークアイテムが入手できたりしますが、ほとんどは店売りのアイテムが宝箱に入っている程度です。また、イベントに関しては探索していて遭遇できたのはたった2個だけでした。ほぼないようなものです。

そのせいで道中の移動がそこまで楽しいものではないのがけっこうしんどいです。等間隔に配置された敵を倒しながら目標地点まで向かうだけみたいな作業になりがちなので、会話部分にハマれないときついだろうなと。

この点に関してはやはり思うところがあったのか、DLCで用意された2つの惑星はどちらも探索要素たっぷりで、マップを隅から隅まで駆け回る価値があります。本編でそこまで探索できなかった人はぜひDLCを満喫しましょう。

まとめ

諸々込みで個人的にはしっかり楽しめました。じゃなきゃ120時間もやらないですからね。

本編だけならサブクエストまでじっくりやっても20時間もあればクリアできるのは、最近のゲームではなかなか貴重だと思うんですよね。この手のジャンルはどうしても大作志向になりがちなので。その点もおすすめできるポイントだと思います。

Steamセールで買ってこれだけやれたので満足感は相当でした。今年中に続編であるThe Outer Worlds2が発売予定なので、そちらも早いところプレイしたいですね。

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