クリアした感想
Falloutを1からやり始めておよそ半年が経過しました。そもそも律儀に1からスタートして4までしっかりプレイしている時点でFalloutという作品の世界にがっつりハマってしまったのは間違いないわけですが、ナンバリングを進めるたびにこれが最高傑作だろ! と思いながら何周もクリアしていました。
もちろんそれは4も例外ではなく、全ルート+DLC+全ロケーションを制覇するために5周ほどクリアしました。現時点でのプレイ時間はSteamによると180時間ほどです。あくまで探索とクエストをメインに据えてプレイしているためこの程度で収まっていますが、拠点建築に凝りだしたらおそらくプレイ時間に0が1つ増えるでしょうね。
本作の個人的な評価としては良ゲーです。もしFalloutシリーズを人に勧めるとしたらとりあえず4を挙げるくらいにとにかくシリーズの中でもダントツで遊びやすいです。何より落ちない! NVもこれだけ安定してれば胸を張っておすすめできるんですけどね・・・。
ルート分岐
4ではNVに引き続きルート分岐が設けられています。シナリオ中盤で4つの勢力からどれを選択するかを迫られるため、自身の価値観に合った勢力を選択すると良いでしょう。いずれの勢力もそれぞれの正義感によって動いているため、どれが正しくてどれが悪かということでもないのが判断に困るところです。
ちなみにどのルートを選択しても必ずいずれかの勢力を滅ぼすことになるため注意が必要です。
ミニッツメン
おそらくゲームを進めていく中で最初に出会うであろう勢力がミニッツメンです。舞台に根付いた平和維持組織ということで世間からの認知度や評判も高いのですが、過去のとある事件によって組織は壊滅状態となっていたところを主人公が立て直していくことになります。
ルートとしては一番無難であり、対立する勢力も他ルートと比べて最小限で済むため、1周目で選びやすいルートでしょう。
BoS
シリーズおなじみのBrotherhood of SteelことBoS。本作でも相変わらず過去の技術を回収するために動いており、わざわざ遠くからはるばるお越しくださっています。
シナリオ中盤から活動を本格化させていくため、それを象徴するかのような登場シーンはまさに圧巻の一言。
活動理念に関しては今まで通りなので、他所でも勝手に正義感を発揮して気に食わない勢力はガンガン滅ぼしていこうというスタンスなため、個人的にはやっぱりBoS傲慢だよなぁと思ったり。とはいえ、BoSルート特有の楽しみや強みが大きいため、どの勢力よりも迫力のあるシナリオが待っています。なんといってもベルチバードを呼び出してどこでもタクシー感覚でヘリに乗ることができるのが楽しい。
楽しさという意味では一番おすすめだったりします。
レールロード
人造人間を回収し、彼らの安全を守るために暗躍する地下組織ことレールロード。ほとんど表に出てくることがないため、人によってはゲーム中でもほぼほぼ関わることがないかもしれません。
活動自体がそこまで共感を得られにくいこともあったり、組織の本部が壊滅させられたりと色々とジリ貧感が出ているため全体的に荒んでいるのですが、組織のメンツは個性的で実はいい奴だったりするので、意外と面白いルートだったりします。
特に終盤の潜入パートはそのガバガバっぷりも相まって非常に楽しいです。最も人気のないルートらしいですが、個人的にはけっこう好き。
インスティチュート
連邦全体を脅かしている人造人間を製造している謎の組織。
世間的にはまさに悪そのものであり、ゲーム中盤までは彼らの居場所すらわからないため、未プレイの段階だとなんでこの組織がルートに選ばれるのか不思議だと思いますが、なぜかありますインスティチュートルートが。なぜでしょうね。
1周目から選ぶことはなかなかないと思いますが、2周目に選んでみる人は多いかもしれません。とか言いながら自分は1周目にこのルートを選択しました。なぜでしょうね。
他のルートよりも難易度が高いため、1周目に選ぶのはやめておいたほうがいいでしょう。そのせいで自分は最終決戦で地獄を見ました。初見プレイであの最終決戦を突破するのはさすがにしんどいです。
良かった点
探索が楽しい
前作NVは各勢力との関わり方によって自身の存在が変化していくというRPを楽しめる点が個人的に最高でした。しかし、その一方で3と比べてもマップは狭く、見えない壁によって進行をある程度制限されることも多かったため、探索する楽しみは減少していました。
そこに来ての4は開発元が3と同じということもあり、探索のボリュームがNVどころか3を超えて増しました。マップを適当にぶらつけば新しいロケーションが発見できる上、そこで何かしらのイベントやクエストが発生します。また、特に何もないようなロケーションであっても、装飾の配置や残されたホロテープを聞くことで、その場所で何があったのかをプレイヤーに想像させてくれます。
レベルキャップの撤廃
3ではレベル30(DLC込み)、NVではレベル50(DLC込み)というレベル上限がありましたが、4ではレベルの上限がなくなりました。これにより、レベルさえ上げていけば全てのSPECIAL(ステータス)を最大まで上げて全てのPerk(アビリティ)を取得することが可能になりました。
前作まではどの能力を選択するかの取捨選択が必要であり、それはそれでRPのしやすさもあったのですが、PerkはともかくSPECIALはゲーム開始時点の振り方でほぼ固定されてしまうこともあり、人によってはゲーム中盤辺りで詰んでしまったりといった状況に陥りがちでした。しかし、4ではレベルを上げれば後からいくらでも修正できるため、困ったらレベルを上げれば解決できるようになっています。
といってもレベル30もあれば本編はクリアできますし、マップを隅から隅まで探索したデータを持ってしてもレベル90程度で収まったため、振るステータスがないレベルにまで到達するのはなかなか至難の業でしょう。また、レベルを上げるとそれにある程度比例して敵も固くなっていくので、レベルを闇雲に上げれば楽になるというわけではなかったりしますが。
アイテムの存在価値の上昇
過去作ではただの換金アイテムでしかなかったようなマップ上で拾うことのできるガラクタたちが、今作では拠点の建築次第や装備品強化、アイテム作成の素材としか利用できるようになったため、探索におけるスカベンジングの意味を強めることができるようになっています。
これにより、今作では探索の醍醐味がさらに増しました。拾ったアイテムもゲーム内日数が経過すればリスポーンするため、あの素材がほしいからまたあそこに行ってみようといった楽しみにもなっています。
素材によっては必要な個数がとにかく多かったり、いくらあっても困らないものもあるため、拾うだけでは飽き足らず、店売りで購入することにもなるでしょう。
装備品の改造
NVでも一部銃器は改造パーツを使用して強化することができましたが、4ではそのシステムがさらに強化されました。
また、武器だけではなく防具も改造できるようになったため、装備品強化という楽しみが新たに生まれています。武器も防具もパーツごとに強化できるため、どのステータスを強化するかで同じ装備品でも特徴が大きく変わっていきます。
あと個人的に嬉しいのが装備品を修理する必要がなくなったことです。3、NVでは装備を使用していくと耐久値が消耗されていくため、同じものや類似するアイテムを使用してニコイチで修理する必要がありましたが、本作では耐久値というものがなくなりました。そのため、ユニークアイテムであっても気兼ねなく使用できるようになっています。
落ちない
当たり前だろと思うかもしれませんが、Falloutでこれはすごいんですよ。NVくんもそう思うよね?
NVと違って10分おきにクラッシュしたり、マップ切り替えで無限ロードが発生したり、マップを出て1歩目で落ちたりといったことは起きなくなっています。もうこまめにセーブをしなくてもいいんです。4がシリーズの中でもおすすめできる一番の理由がこれだったりします。
とはいえ、全く落ちないかというとそんなことはなく、180時間プレイした中で15回くらいはクラッシュが発生しました。つまり非常に安定しています。安心してプレイしましょう。
気になった点
敵の視認性が悪い
光源のせいなのでしょうが、撃たれたときに敵がどこにいるのかを把握するのかかなりわかりにくくなっています。特に夜が顕著で、マズルフラッシュを頼りにしないと本当にどこに敵がいるのかがさっぱりわからないこともしばしばです。
一応対策として敵の気配を感じたら方向に検討をつけてVATSモードに入ったり、パワーアーマーを強化することで熱感知センサーで敵を把握できるようになりますが、そうでもしないとわからないのが厄介です。明るさを最大にしてもこの視認性は改善できないので、そういう仕様と思うしかないのでしょう。
会話の選択肢が少ない
NPCとの会話は基本的に4択で進めていくことになるのですが、4択でありながら実際は”はい”か”いいえ”の2択でしかないみたいな会話が非常に多く、会話の幅が狭いです。
一応スピーチチャレンジというカリスマの値によって成功率の変化する選択肢もあるので、これを選択して成功すればその場を切り抜けたり、新たな情報を得られたりもするのですが、それでも過去作と比べて選択肢は少ないと言わざるを得ません。特にNVと比較してしまうと尚更でしょう。
主人公に当たりの強い味方
良かった点に上げたアイテム回収ですが、これを行うときのコンパニオンの反応が妙に辛辣です。
コンパニオンは連れて行くと各地を訪れた際にコメントを呟いたり、会話に割って入ったりもするため、旅に彩りを添えてくれる良い存在なのですが、なぜかたいがいのコンパニオンがガラクタの回収に否定的です。こちらとしては必要だからこそせっせと集めているのに、ことあるごとに「それを拾うことに価値を見いだせない」だの「そんなことして一体何の意味があるの?」だの呟かれ、しかも頻繁に口にされるため、だんだんとげんなりしてきます。
一部のコンパニオンはむしろ肯定的なのですが、なぜかどれもDLC追加組なので、やはりこの反応は嫌がられていたみたいですね。
また、拠点を発展させていくと入植者がやってきて住み着くようになるのですが、厳しい生活をなんとか生き延びてきたこともあるのか、だいぶ心が荒んでいます。やれ「話しかけないで」だの「こんなところよりさっさとダイヤモンドシティに戻りたい」だの「君の危険な一面を見た」だのを通りすがりに言われるので、じゃあ住むなよと思いたくもなります。
あと個人的に腹が立つのがプレストン・ガービー。ミニッツメンの生き残りであり、主人公の行動に感化され、主人公をミニッツメンの将軍として担ぎ上げてくれます。しかし、将軍とまで呼んでくれるのに隙あらば主人公をパシリに使い、自分では何も動こうとしないのが非常にイライラします。
◯◯が襲撃を受けているから救助に行ってくれと言われ、それをクリアして報告しに行くとうわべだけの感謝を述べた後に「ところで将軍」とさらなるパシリに使わせるその根性。本当に腐っているとしか言えません。
なにより腹立たしいのがガービーをコンパニオンとして連れて行くと、各地の人々がミニッツメンの行動に感謝を述べてくれるのですが、なぜかその言葉を向けるのはガービーに対してだけで、それにガービーも偉そうに返す始末。繰り返しますが、ガービー自身は何もしていません。ただただ主人公をあちこちに派遣して上っ面の感謝を述べるだけです。本当に性根が腐っているのでしょう。
ロードが長い
過去作と比べても圧倒的に安定するようになった4ですが、その代わりにロード時間が非常に長くなっています。建物に入るたびに1分弱のロードが発生するため、正直最初はその時点で萎えてもういいやとなったのを覚えています。
ただ、これに関してはmodを入れることで大幅に改善されるため、modを入れる場合はほとんど気にしなくてもいいでしょう。mod自体はLoad Acceralaterで検索するとすぐに見つけられます。
ヌカワールド
DLCの1つであるヌカワールドですが、これ自体は戦前の遊園地が舞台となっているため、マップの中身も面白く、内容自体は非常に面白いです。ただ問題はこのDLCをクリアすることの弊害の大きさ。
そもそもこのDLC自体が連邦全体でヒャッハーしているレイダーを主役としているため、本編とは全く異なる視点の悪人プレイを強要されることになります。また、クエストをこなしていくうえでこのレイダー軍団を連邦に派遣させるために拠点を提供する必要があるため、これがミニッツメンの役割ともろに被ってしまいます。つまりヌカワールドをクリアするためには味方の拠点を略奪する必要があります。そうなると当然ですがミニッツメンとは敵対するため、プレストン・ガービーとは絶縁することになります。
そのせいで本編では基本的に善人でなければならないのに、ヌカワールドでは悪人でなければならないため、RPを気にする場合はおそらくプレイできない人も多いでしょう。
一応ヌカワールドをクリアするためのルートとしてレイダー勢力を壊滅させるという選択肢も取れるのですが、こちらを選ぶと30分足らずでDLCが終了するため非常に味気ないものとなります。
強制的に悪人プレイをさせられるという点が不評だったのか、Steamの実績解除率を見てもヌカワールドをクリアした割合は全体の4%未満となっています。
まとめ
とにかく今までのシリーズと比べても圧倒的に遊びやすく、気がつけばプレイ時間も予想以上に膨れ上がっていました。
息子を探し出すという始まりから、中盤以降は怒涛の展開が待っているため、本編もしっかり楽しむことができ、ルート分岐によって周回も楽しめるという美味しさ。
何より探索の楽しさがさらに増しており、あてどなくブラブラしているだけでも連邦の景色を楽しむことができます。特に高所から一望する景色は世紀末ながらも美しく、好みのコンパニオンを連れてデート気分を味わえたりもします。
4をクリアした勢いでプライムビデオで配信されているドラマ版Falloutも一気見したのですが、こちらもまた素晴らしかったです。ドラマ版に関しては原作をプレイしていなくても特に困ることはありませんが、たぶん4をプレイしておくと入りやすいはずです。
とりあえずFalloutシリーズをプレイしてみたい、どういう世界観なのかを把握したい人には迷わず4をおすすめします。