【良ゲー】世界樹の迷宮Ⅲ【クリア感想】

 

クリアした感想

世界樹の迷宮Ⅲをクリアしました。本編クリアまでのプレイ時間は約40時間ほどだったかと思います。レベル上げや、シナリオとは関係ない酒場クエストや大航海といった寄り道要素もしっかりプレイしながら進めていったので、おそらくシナリオだけを進めるのであれば30時間程度でクリアできるんじゃないかと思います。

まずクリアした感想としては良ゲーですね。いやー面白い。ゲームとしての難易度はかなり歯ごたえはあるものの、世界樹の迷宮特有の自分でマップをタッチペンで書き込んでいきながら冒険を進めていく楽しさに加えて、RPGとしてのパーティー編成の面白さもあり、プレイ中はのめり込んでやっていました。

職業とサブクラス

今作からの新しいシステムとしてサブクラスというものが導入されています。これはキャラクターのメインの職業に加えて、サブクラスで選んだ職業のスキルも扱えるようになるというもので、これによって構成の自由度が前作までとは比べ物にならないほど上がっています。メイン職業の大技スキルを更に強力にしたり、あるいは欠点を補ったりと、使い方次第でキャラクターの強さを跳ね上げてくれます。

職業は10+シナリオ中盤のルート分岐によって得られる2種類の計12。初期からの10職業は簡単に説明するとこんな感じ。

【プリンス(プリンセス)】

サポート寄りの万能職。前作のバードのように味方にバフをかけるのが主な役目。正直、プリンスの有無で難易度が大きく変わるレベルで強力な職業。プリンス抜きでのクリアは難易度をセルフで1段階上げるようなものなのでおすすめできない。
本人のステータスが軒並み上位クラスであることに加え、防具も一番硬い重鎧が装備できるため、支援職ながら前衛に配置してタンクもどきのような役割もこなせてしまう。
ゲーム後半になるにつれ、敵味方のバフ・デバフが大きく戦況を左右することもあり、とりあえずサブクラスでもいいので入れておきたい。

【ウォリアー】

前衛アタッカー。いわゆる戦士ジョブ。前作のソードマンの火力部分を高めた印象。
剣と鎚を装備できる。剣はオーソドックスな性能の武器で、終盤はブレイドレイヴ(敵に連撃を行う)で高いダメージを出せるようになる。鎚は高火力の代わりに鈍足であり、命中率にやや難あり。しかし、比較的早い段階で強力な鎚が手に入ることに加え、スキルの属性の通りが良いため、終始安定した強さを見せる。
チャージというスキルを使うことで次のターンに与えるダメージが跳ね上がるため、基本的に剣鎚どちらもチャージからのスキルを叩き込むことになる。

【ファランクス】

盾持ちのタンクジョブ。敵の攻撃を受け止めることでパーティ全体の被ダメージを大きく抑えることが出来る。状況に応じて適切なガードを構えることで活躍できるため、特にボス戦などの強敵相手には便利な存在。
装備できる槍は後列でもダメージが落ちないため、前衛でも十分な耐久力を発揮できるが後衛に置いてさらに要塞に磨きをかけることも出来る。
防御力に関してはピカイチではあるものの、攻撃面に関してはそれほどであるため、道中の戦闘では火力不足を感じやすくなりがち。構成次第ではかえって被ダメージが増えてしまうこともある。

【パイレーツ】

突剣と銃を装備することが出来るファイター。前作のソードマンの利便性を上げたような性能の職業。固有スキルのおかげでTPの持ちが良く、攻撃スキルを連発してもTPが枯渇しにくい。
突剣を装備した場合は敵にデバフを与える攻撃スキルを使えるので、強敵相手の大技を妨害できたり、状態異常がアイテムドロップの条件となっている敵にも役に立つ。銃を装備すれば後列からでもダメージが出せるようになり、単体バーストや全体スキルにより戦闘員として扱いやすい。
なんといっても特徴的なのはチェイス。味方の属性攻撃に反応して追撃を行うスキルであり、上手く使えば敵を蜂の巣にすることが出来る。
全体的に色々な事ができる面白い職業だが、ポテンシャルを最大限引き出すには構成を上手く考える必要がある。

【シノビ】

紙耐久を素早さと回避力で補うニンジャ。固有スキルによって後列でもダメージが落ちず、かつTP消費も大きく減らすことが出来るため、サブクラスの強力なスキルをタダ同然で使えてしまえたりする。
デバフを与えたり陽動を行えたりとトリッキーな動きができるが、なんといっても分身が強力。パーティーが5人から6人になることでやれることが格段に広がる。また、飯綱(攻撃スキル。追加効果で相手を戦闘不能にすることがある)の成功率が異様に高く、大概のザコ敵はこれ1発で倒せてしまう。
あまりにも出来ることが多すぎるため、サブクラスも込みで考えるとこいつだけでいいんじゃね? と思えてしまうことがある。

【モンク】

ヒーラー。味方の回復を行う職業という役割的に、攻略においてはほぼ必須と言ってもいい。ステータスとしては前衛においてもなんとかなる程度には固いので、後衛が埋まってしまっていてもとりあえずは大丈夫。
ボス戦では回復スキルで手一杯になりがちだが、道中の戦闘では鎚を装備できるため意外とダメージを与えてくれたりする。
素手スキルというものもあるため、そちらを伸ばせば格闘家としても運用できるが、実用性を考えるとあまりおすすめできない。
とにかく回復キャラはパーティーにいてくれないとあらゆる状況で困るため、基本的にどんな構成にも入ることになるはず。

【ゾディアック】

火・氷・雷の3属性を操る職業。いわゆる魔法使いジョブ。ファイター職では出しづらいかつ弱点を突きやすい属性なため、ダメージを出す職業としてはとりあえず入れておきたい。
スキル方針としては3属性を伸ばして弱点を突いていくタイプと、メテオ(全体複数回攻撃スキル)を伸ばして大火力を出すタイプに分かれる。圧縮エーテル、およびサブクラスでウォリアーを選択した際に取得できるチャージは次のターンのスキルダメージを跳ね上げてくれるため、これらと組み合わせてスキルを叩き込んでいくことになる。
後衛火力を置きたい場合は採用しておきたい職業。

【ビーストキング】

モンスターを召喚して共闘する職業。と言う体でデバフを行う。召喚師ではあるものの、使用感としては前作のダークハンターに近い。
モンスターを召喚する際の起動効果でデバフを撒く。状態異常も強力だが、なんといっても封じを全部位行うことが出来るのが強い。高いLUCにより成功率も高いので、いると強敵との戦闘難易度をかなり下げてくれる。
数あるモンスターの中でも剣虎(全体即死)が異常に強く、これが決まればボスも1ターンで決着がつくので、ご利用は計画的に。

【バリスタ】

後衛火力職。単体火力もさることながら、属性ダメージも与えてくれるため汎用性が高い。
固有スキルは本人より体力の高い相手に追加ダメージを与えてくれる。ボス戦向けスキルかと思いきや、今作はザコ敵ですら体力が多いので常時発動スキルに近い。
ダブルアクションを習得すると、確率でスキルを連続発動してくれるようになる。これによりダメージが単純に倍になるので、ダブルアクションの発動率次第で大暴れしてくれる。
攻略向きな職業を選んでいくと、前衛は防御職で固められがちなため、後衛でダメージを完結させようとするとバリスタが選択肢に上がることになってくる。

【ファーマー】

農家。アイテム採集や道中の利便性を上げてくれる非戦闘員。戦闘のことを考えると普段のパーティーから採用するのは少々苦しいので、控えに置いておいて採集の際だけ駆り出すということになる。
戦闘力に関してはとにかく心もとないが、LUCが高いことを活かしてデバフ要員として扱うという手もある。サブクラスさえ上手く使えばなんとかなってしまうゲームシステムではあるので、いっそのこと縛りプレイに使うのも面白いかもしれない。

クリア時の構成

自分のシナリオクリア時のパーティーはこんな感じ。

ウォリアー(サブ:バリスタ)
モンク(ファーマー)
シノビ(プリンス)
バリスタ(ウォリアー)
ゾディアック(バリスタ)

モンクがひたすら回復をし、分身したシノビがプリンスのスキルで全体にバフをかけつづけ、他の3人がひたすらダメージを出し続けるという構成で進みました。火力面に関しては申し分なかったのですが、敵にデバフをかけることができず、ボス戦では敵の大技をとにかく正面から受け止めるしかなかったので、後半に行くにつれビーストキングでも採用しとけばよかったかもなあ……と思いながらレベル上げをしていました。

クリア時の平均レベルは55ほど。敵のスキルをやわな体で受け止めなければならなかった都合上、適正レベルよりは多少高い方だと思います。とにかく相手の一撃で消し飛ぶことが多かったパーティーでした。

良かった点

構成の自由度が高い

なんといってもサブクラスが面白かったです。この職業とこの職業を組み合わせば強いんじゃないか? という妄想を実現することが出来るので、”ぼくのかんがえたさいきょうのきゃら”を生み出せるのが楽しい。

特にシノビの分身が悪用しやすく、実際に攻略に使っていたプリンスとの組み合わせでは、本来1列しか対象にできない各種号令(バフ)を分身によって全体スキルに変えることが出来るのがあまりにも優秀でした。

1周クリアした後も、今度はこういうコンセプトでパーティーを組んでみようとあれこれ考えを巡らせるのが楽しく、組み合わせの多さが良い方向に働いていると感じました。

充実の寄り道

今作では大航海という寄り道要素が存在します。船を使って各地と交易を行い、それによって海図を広げていくというものですが、船の積み荷や装備品によって取れる行動や移動回数に制限があり、詰将棋のような面白さがあります。

マップを開拓していくことで大航海クエストというものも解禁され、各地に存在するボスと戦うことが出来るようになります。これをクリアすることで得られる報酬はストーリー攻略に役立つ強力なものも多く、またボス戦であるためもらえる経験値も多いです。

また、恒例の酒場クエストもあり、こちらではクエストクリア時に経験値がもらえるようになりました。これにより、報告の際はあえて控えのメンバーを連れてきて育成を行えたりも出来るようになっています。

どちらの要素も、完全にスルーしても問題はないけど、進めておくと攻略に役立つ要素があるという絶妙な寄り道具合であり、ゲームとしての面白さにスパイスを与えてくれます。

気になった点

シナリオが重い

良くも悪くもという点ではありますが、本作は全体的にシナリオが重いです。ゲーム中盤にルート分岐があり、どちらかのルートを選択することになるのですが、どっちを選んでも後味が悪い結末が待っています。あちらを立てればこちらが立たずといった具合になるのですが、これは周回プレイを前提としているからかもしれません。

基本的に登場人物のほとんどが何かしらの闇を抱えており、それがシナリオの暗さに拍車をかけている印象です。前作はとにかく迷宮を登っていけばいいという単純なストーリーでもあったので、今作でストーリー性を持たせたという意味では良いものだったとも言えますが。

総評

【良ゲー】

RPGとしては難易度の高いシリーズではありますが、ゲームとしての完成度は高く、じっくりプレイできる人にははまれる作品となっています。ニンテンドーDSソフトとしては1~3が出ていますが、ゲームとしてのとっつきやすさという点では間違いなく本作が一番おすすめできるでしょう。

DSというゲーム機を生かしたマッピングを楽しめるダンジョンRPGとしてぜひプレイしてみてください。

ニンテンドーDSソフト世界樹の迷宮III 星海の来訪者

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