ニンテンドーDSソフト「世界樹の迷宮Ⅱ 諸王の聖杯」をクリアしました。
プレイ時間は本編クリアまでが20時間ほど、裏ボスまで含めると40時間弱ほどでした。
全12種類の職業から最大5人のパーティを組んでダンジョンを攻略していくため、人によって色々な組み合わせがあるかと思いますが、自分の初回クリア時はブシドー・パラディン・レンジャー・アルケミスト・メディックで行きました。序盤は苦戦しましたが、アルケミストが核熱を使えるようになってからスムーズになっていき、その後レンジャーの警戒歩行、ブシドーのツバメ返しがレベルマックスになったタイミングでさらにサクサク進むようになりました。
ラスボス撃破時の平均レベルは65前後でした。ただ、体感だとここまで上げる必要はなかったと思います。たぶんレベル55ほどあればいけるはず。
ストーリーはあるにはあるけど結構さらっとしたものなので、ダンジョンを手動マッピングしながら淡々と潜っていきたい人向けのゲームだと思います。次回作以降はストーリーもしっかりありますが、これくらいあっさりしたもののほうがむしろ純粋に楽しめる人もいるんじゃないでしょうか。
ニンテンドーDSの世界樹の迷宮はⅢまで出ていますが、本作は中でも一番ピーキーなバランスになっていると感じます。理不尽な要素も多いものの、逆にぶっ壊れスキルや抜け道も多いため、それを楽しめるのであればかなり好き勝手できるでしょう。
良かった点
歯ごたえのあるダンジョン攻略
ゲームの始まりである1階から気を抜くとやられてしまう戦闘が繰り広げられるため、なかなかに緊張感のあるダンジョン攻略を行うことができます。
最初に1階のマップ作成を命じられるチュートリアルミッションがあるのですが、マップをちゃんと塗り終えるまでダンジョンから出してくれないので、下手するとここで初のゲームオーバーを迎えたりもします。
いざそこを乗り越えても、次の階では致命的な毒を与えてくるチョウが出現したりと各階ごとに手を変え品を変え脅威が訪れてきます。
そのためプレイヤーはじっくりと腰を据えて慎重にダンジョンを進む必要があるのですがこれが楽しい。多少詰まっても試行錯誤することで徐々にパーティの成長が感じられますし、苦労して次の階層を突破したときは非常に達成感を得られます。
この絶妙な歯ごたえが本作の魅力でしょう。
攻略パーティの自由度
メディックのように「とりあえず採用しておくと良い」職業も存在しますが、基本的にどんなパーティでも本編クリアは可能です。
オーソドックスに前衛後衛と役割を決めて素直に挑んでもいいですし、バランスなんか捨てて火力全振りで前のめりに行くのもありでしょう。それこそ同じ職業5人で固めるのも面白いですし、人数を減らして少数精鋭で戦うのもプレイスタイルの1つです。
あれが足りないといった要素はある程度アイテムで補うことができる上、もっと言えばRPGなのでレベルを上げてしまえば強引に突破もできます。
個人的にはアルケミストが習得できる核熱の術が強すぎて「いっそこれだけ撃つパーティにしてもいいんじゃ?」と思いアルケミスト4人メディック1人の魔法部隊を結成したりもしましたが、むしろそれが一番攻略しやすかったりしました(TP消費に目をつぶればですが)。
探せば縛りプレイもけっこう出てくると思うので、参考にしてみるのもいいでしょう。
気になった点
F.O.E.の存在
階によってFOEと呼ばれる中ボスのようなシンボルエンカウントが存在するのですが、これの仕様が個人的に気になりました。
何が問題かと言うと、このFOEを倒しても経験値を全く得ることができないという点です。
倒したときに得られるのは素材のみなので、経験値が全く得られない点と合わせると、素材から作れる装備品が購入可能になった時点で戦う意味がなくなります。
FOEは基本的にその階に到達した時点のレベルでは勝つことができない強さを誇り、最初はなるべく避けて通るしかない存在なのですが、挑めるようになり素材収集し終えると今度は旨味が全く無いゆえに避けたい存在になるため、最初から最後までただただ面倒なだけの存在となっています。
本作の中盤以降のレベル上げは階層ボスと再戦し、復活するまで宿屋で寝るのを繰り返す作業になってしまっていますが、その原因の一端は確実にこの仕様のせいでしょう。
ぶっ壊れスキルの存在
一部職業において明らかに強すぎるスキルが存在します。
色々とあるのですが、特にそれが目立つのがレンジャーとカースメーカー。
レンジャーは探索向けのスキルを数多く覚える支援職ですが、中でも凄まじい強さを誇るのが警戒歩行。一定歩数の間エンカウント率を下げるスキルですが、このスキルを最大レベルまで上げると250歩の間、全くと言っていいほどエンカウントしなくなります。この250歩でどれだけの範囲をカバーできるかというと、だいたい1フロアを丸々散策してお釣りが出るくらいの歩数です。
警戒歩行は早ければ中盤にはスキルレベル最大まで到達することができるため、以降のダンジョン探索は下手するとただの散歩と化します。というより2周目以降のプレイはそうなりました、便利すぎて。
また、デバフ特化職のカースメーカーも壊れスキルのオンパレード。序盤どころか後半の雑魚敵すら一撃圏内のダメージを与える毒に始まり、ボスにも通用する最強状態異常のテラー、相手の耐性を完全無視どころかむしろ弱点に変える変化の呪言とよりどりみどり。
そんな強力スキルを差し置いてRTAでも愛用されるスーパースキルがペイントレード。効果は相手のHPと自分のHPの差を参照してダメージを与えるというシンプルなものですが、使用者のHPをあえて低くすることで序盤から破格のダメージを叩き出すことができるようになります。
しかもよりにもよって無属性であるため、相手の耐性など関係なく安定して異常なダメージを与えてくれます。
これを悪用すると低レベルクリアも驚くほどに容易に行えてしまうので、真面目に火力職をやっている他の職業がかわいそうに思えてきます。
さすがに強力すぎたのか、ペイントレードはリメイク版の新2では削除されました。
まとめ
次回作の3の完成度が高いこともあり、ニンテンドーDSでリリースされた世界樹の迷宮全3作の中では一番プレイされにくいであろう本作ですが、プレイしてみるとやはり本作ならではの面白さも感じることができます。
むしろ本作をプレイしてから3に移ると、色々と易しくなっていることに逆に戸惑いを感じたりもするので、高難易度を求めるのであれば3よりもおすすめであると言えます。
ストーリー要素が薄いからこそダンジョン踏破に没頭できることもあってか、個人的にたまに引っ張り出してはクリアしているゲームの1つです。
ああっと!! を筆頭に理不尽な要素もあったりしますが、それはそれで味でもあるので気が向いたらプレイしてみてください。